加害者

加害者


作詞 hajime


加害者になってしまったよ ある日突然 駅の帰り道

加害者になってしまったよ 変わらない毎日の同じやりとりで

何かがほんの少し 小さくずれて 掛け違えたボタン

目の前で転がる スマートフォンと 響き渡る衝撃音

奪いたくなんてない 壊したくなんてない 


鳴りやまぬ罵声とサイレンの音 腰から力が抜けていく

加害者の辛さよ あれほど憎んでいた敵になったこの世界は

行き交う目の全てが怖く 小さな音で恐怖が突き刺す

遠のいていく普通と 反転する感性 もう戻れないけど 

さっきまでいた場所はいい所だったな 今朝起きた時は

「ああ自分は世界で一番かわいそうなやつだ」

なんて感傷に浸ったナルシスト 映画や小説のヒーローに憧れてみたり

真っ赤な血で染まった目の前に 今はただ懐かしい ひと場面


加害者になってしまったよ 少しの不注意で 一瞬のこと

加害者になってしまったよ 変わらない毎日のはずだった

悪くないんだ 違うんだこれは 虚空に消える自己弁護も 

カーカーと飛ぶカラスが笑う 


ああ幸せだったんだ ああ幸せだったんだ ああ幸せだったんだ

懐かしい昨日がこだまする

korekara.bookcafe

面白い話と美味しいご飯。

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